東芝が2018年5月15日に2017年度決算を発表し、国内大手電機メーカー8社の決算が出そろった。全体としては前年度を上回る結果が目立つものの、2018年度の見通しでは各社の明暗が分かれた。中核事業で増収増益を見込む企業と、それが頭打ちで減益見込みの企業である。以下では、各社の状況をそれぞれ見ていこう。

メモリ事業売却後が懸念される東芝

 経営再建を目指す東芝の2017年度は、当期利益8040億円を計上したことで株主資本は7831億円となり、債務超過は解消した。メモリ事業を非継続化する前の数字として通期売上高は前年度比2.7%増の5兆6億円、営業利益は同2587億円増の5295億円である。

 東芝はメモリ事業を売却することでバランスシートの改善を図ろうとしているが、中国当局による独占禁止法審査が決算発表までには完了しなかった。決算発表直後の2018年5月17日にようやく審査を通過し、売却の見通しがついた形である。

図1●東芝の部門別営業利益(メモリ事業非継続化前、会社決算資料よりGrossberg作成)
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 今後、メモリ子会社の東芝メモリはベインキャピタルの出資を受け、東芝の連結対象からは外れることになる。メモリ事業を非継続化した2017年度営業利益は641億円であり、2018年度の営業利益見通しは700億円。メモリ子会社売却により、東芝は収益の柱を失う形になる。

 メモリ以外の事業は、全社の財務体質の脆弱性ゆえに顧客から敬遠される例も少なくないだろう。債務超過は解消されたが、一度失った信頼を取り戻すことは容易ではない。

最高益のソニーはイメージセンサーに不安

 ソニーは過去最高益を更新。通期売上高は前年度比12.4%増の8兆5439億円、営業利益は同4461億円増の7348億円となった。

 ゲーム&ネットワークサービス部門はPlayStation4が貢献して増収増益、音楽部門はモバイルアプリやストリーミング配信が好調でやはり増収増益である。映画部門は、営業権の減損があった前年度に比べて収益が大きく改善した。

図2●ソニーの部門別営業利益(会社決算資料よりGrossberg作成)
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 ホームエンタテインメント&サウンド部門は、テレビの高付加価値モデルへのシフトが成功して増収増益である。イメージングプロダクツ&ソリューション部門は、熊本地震の影響があった前年度から業績が改善した。モバイルコミュニケーション部門は、スマートフォン販売台数が減少し赤字に転落。半導体部門は、熊本地震の影響で赤字を計上した前年度に比べてイメージセンサーが大幅な増収となり、1718億円の増益となった。

 2018年度通期については、営業利益6700億円と前年度比減益を見込む。円高の影響に加え、スマートフォン向けに業績を拡大してきたイメージセンサーの減速が懸念される。イメージセンサー事業については、スマートフォンの減速を受けて、車載やIoTなど新分野の開拓が欠かせない状況だが、やや時間を要しそうだ。

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