1999年に製品化されたソニーによる先代「AIBO」と2000年に登場した本田技研工業の二足歩行ロボット「ASIMO」は、ロボットを産業機器から身近な存在に変えた象徴的な製品だった。これら2つの先進的試みの後を継いだ形になっているのが、2014年に登場したソフトバンクの「Pepper」である。AIBOやASIMOとPepperの間には、システム構成上の大きな違いがある。前者はロボット単体での自律動作を追求したロボットであるのに対し、後者はネットワークでクラウドにつないで情報を蓄積・処理することを前提としたロボットであることだ。つまりロボットは、IoT端末の1つになったと言えるだろう。

 復活した「aibo」は、時代の流れに沿って、Pepperと同様にネット接続による運用を前提としたシステム構成に変わった。単体で動く機器としてのロボットとネットにつなぐIoT端末として機能するロボットでは、その価値を測る視点に大きな違いが生じるのではないか。後者では、クラウドや他のロボット、機器とつないで描く大きなシステムの世界観、さらにはその上で展開されるサービスの価値が問われることになるだろう。

 再登場したaiboの意義と実利を考えている今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、微細加工研究所の湯之上 隆氏である。同氏は、ソフトバンクが考えるネット社会の世界観の中でのPepperの位置付けを参照して、aiboの意義と実利を論じた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
湯之上 隆(ゆのがみ たかし)
微細加工研究所 所長
湯之上 隆(ゆのがみ たかし)  日立製作所やエルピーダメモリなどで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、雑誌・新聞への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北−零戦・半導体・テレビ−』(文書新書)。趣味はスキューバダイビング(インストラクター)とヨガ。
【質問1】aiboを復活させたことで、ソニーの技術開発や製品開発に、どのような効果が及ぶと思われますか?
【回答】専門分野ごとに細分化が進んでいたソニーの技術者たちが、多少なりとも融合されるようになるかもしれない
【質問2】新しいaiboの事業は、将来的にソニーの業績を直接押し上げる実利を生み出す可能性があると思われますか? 
【回答】多少はaiboが売れて、少しはソニーの業績が上向くかもしれない。その前に原価いくらで作ったのかが気になる
【質問3】業績不振からAIBOの事業を止め、回復と共にaiboの事業を再開したソニーから、他の企業は何を学べると思われますか?
【回答】話題作りは上手だった

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