「自分の夢であり、ソニーの象徴だ」。ソニーの平井一夫社長は、こう語り、生まれ変わった犬型ロボット「aibo」を2018年1月に開催された「CES」で世界に紹介した。

 日本経済新聞に掲載された記事の中で、平井氏はaiboの開発に着手した後、「ソニー社員は目的があるとすごいというのを実感した。どれだけ時間がかかって開発が難航しても、社員の目が輝いている。私自身、開発工程を目にして感動した。もっと、こういったことをやろうと社内に投げかけ、議論を進めている」とaiboを事業として進める意義を語っている。

 ソニーのエンジニアを取材する際、初代「AIBO」についての話を振ることがある。すると、「世の中で愛された事業をやめてしまったこと」「先進性と革新性を追求するソニーらしい事業をやめてしまったこと」が、少なからず同社社員の心の傷になっている様子が見えることが多々ある。平井氏はaiboの開発に着手した後、「社員の目が輝いている。私自身、開発工程を目にして感動した」とaiboを事業として進める意義を語っている。

 その一方で、aiboがビジネスとして、どのような実利を生み出していくのか、その道筋は明確にはなっていない。近年のソニーは、AI、ロボティクス、通信などを組み合わせた、生活空間のあらゆる場の「ラスト・ワン・インチ」領域への新たな提案に取り組んでいる。aiboもこの文脈の中にある製品である。米アマゾン(Amazon)や米グーグル(Google)のスマートスピーカーと同様に、ユーザーの側で、ありのままの生活の様子を映したデータを取得できるポジションにいる。ただし、現時点でスマートスピーカーを市場投入している企業各社のようには、明確なサービスは示されていない。

 今回のテクノ大喜利では、再登場したaiboの、意義と実利について議論した。最初の回答者は、ソニーOBである服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし)  大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経テクノロジーオンラインなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】aiboを復活させたことで、ソニーの技術開発や製品開発に、どのような効果が及ぶと思われますか?
【回答】自由闊達にして愉快なるソニーの復活ムードを盛り上げて、人々に驚きと感動を与え、ライフスタイルを変えてしまうような次の画期的な製品開発のきっかけとしての効果
【質問2】新しいaiboの事業は、将来的にソニーの業績を直接押し上げる実利を生み出す可能性があると思われますか? 
【回答】短期の実利より長期にエンターテインメント・ロボット産業を立ち上げて見せるという夢と覚悟を持て
【質問3】業績不振からAIBOの事業を止め、回復と共にaiboの事業を再開したソニーから、他の企業は何を学べると思われますか?
【回答】 AIBOやQRIOを切り捨てた歴代ソニー経営陣の判断とその克服

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