VEと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? VEの研修をしたり企業のVEを手伝ったりするとき、技術者に「VEの目的は何ですか?」と聞くと、ほぼ100%「コストダウンです」という言葉が返ってきます。もちろん、VEの狙いの1つにコストダウンがあることは間違いではありません。しかし、VEの目的はコストダウンだけではありません。

 VEを日本語に直すと「価値工学」や「価値分析」となります。つまり、VEとは、価値=Valueを研究する目的で作られたものなのです。ものやサービスの価値は、下記の関係式で表すことができます。

V:Value(価値)= F:Function(機能) / C:Cost(コスト)

 このVを高める活動のことを「VE」と言います。もしかすると皆さんは、この関係式を見ただけで私が伝えたいことが分かってきたのではないでしょうか。VEには4つ価値を向上させる手段があります。

[1]F:→ / C:↓

 これは先ほども紹介したコストダウンです。ただし、機能は現状を維持しなければなりません。

[2]F:↑ / C:→

 コストを維持したまま、従来よりも機能を高めるということです。消費者にとっては、同じ製品にも関わらず従来よりも機能が上がっているため、「お得感」を感じるはです。自動車で言えば、「特別仕様書」のような考え方です。

[3]F:↑ / C:↓

 これは技術者泣かせのVEの手段です。機能を向上しつつ、コストを下げるという内容です。

[4]F:↑↑ / C:↑

 これは、多少のコストアップに対して、大幅な機能向上を示します。自動車で言えば、マイナーチェンジのときの考え方です。もちろん、全てのマイナーチェンジがこのようになっているとは限りませんが。