三井物産戦略研究所技術・イノベーション情報部知的財産室室長の山内明氏
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 有望な開発テーマや新規事業をどのように見つけたらよいのか。今、多くの日本企業がこの問題に頭を抱えている。この悩みに応えるのが、特許情報を有効活用する新たなマーケティング手法「特許マーケティング」だ。考案者であり、「技術者塾」で「特許マーケティングによる新規用途・事業開発 知財情報戦略 応用編」(2018年4月25日)の講師を務める山内明氏(三井物産戦略研究所技術・イノベーション情報部知的財産室室長)に、特許マーケティングの威力を聞いた。(聞き手は近岡 裕)

「特許マーケティング」を提唱されています。特許マーケティングとはどのようなものでしょうか。

山内氏現行のマーケティングでは使われていない特許情報に着目し、その有効活用を図った「新しいマーケティング手法」のことです。特許マーケティングといっても、特許を売買するという意味ではありません。特許情報を中心とした多面的な情報解析、すなわち、新たな特許分析法「知財情報戦略」に基づき、例えば、要注目企業などの動きを把握して効率的な商品・サービス開発に活用したり、自社技術の売り込み先として好適な企業を特定したり、有望な新規事業を特定したりする、という意味でのマーケティングです。

 特許情報には本来、マーケティングのヒントが満載です。これをうまく活用しない手はありません。それを可能にする新しいマーケティング手法として、私は特許マーケティングという新しい手法を提唱しているのです。

2017年7月17日付の日本経済新聞朝刊で自動運転分野における米Google社の脅威をあぶり出した「IPランドスケープ(知財分析の手法とそれを生かした知財重視の経営戦略のこと)」が掲載され、話題となりました。このIPランドスケープと特許マーケティングとの関係を教えてください。

山内氏:IPランドスケープ(狭義)は「知財情報戦略」に該当し、知財情報戦略の主要なものが「特許マーケティング」です。つまり、IPランドスケープ≒特許マーケティングとなります。実は、日本経済新聞の掲載の後、数多くの問い合わせや相談を受けました。私自身、IPランドスケープに対する反響の大きさに驚きました。なお、詳細については、日本特許情報機構(JAPIO)への寄稿「IPランドスケープ実践に役立つ知財情報戦略」を参照ください。