この記事は、2017年9月13日掲載の記事「新産業に広がる、プラズマへの期待」を再構成したものです。

 プラズマ技術への注目が高まっている。特に、新材料、医療、農業など新産業分野で、プラズマ技術への期待が高まっている。プラズマ技術に詳しい名古屋大学教授の堀勝氏に、プラズマ技術のインパクトについて聞いた。(聞き手は田中直樹)

プラズマ技術をウオッチしたり、新たに調査・研究対象としたりする技術者・研究者が増えています。

堀氏:少子高齢化社会を迎え、安全・安心、健康に対する新たな科学の勃興や大きなビジネスチャンスが出現しているからです。

 既存の科学や産業の枠を超えた破壊的イノベーションを起こすためには、未来社会へ大きな波及効果を与えるような科学現象を探索し、その黎明期に息吹をかけておくことが重要です。

 このような可能性を生む新たな科学技術の1つが、プラズマとその応用科学技術にあります。

プラズマの科学、技術を理解するメリットは。

堀氏:プラズマ現象の基礎事項を理解しておくことで、新たな学術領域を先んじて修得し、将来のビジネスをいち早く切り開くことができます。また、この分野では、材料、医療、農業など未来のイノベーションを開拓する新たな新学術分野が急速に伸びています。

 今こそ、プラズマの基礎と応用をウオッチして、理解しておくことが、大きなビジネスチャンスを獲得するために重要だといえます。

 例えば低温プラズマの科学、技術を理解することで、低温プラズマを機軸に物質、細胞や生物システムへの応答、医療、農業への応用の最前線の知識を習得し、今後のプラズマ材料科学と生命科学応用(医療、農業水産業、安心安全・健康分野)へのヒントを身に付けることができます。

プラズマ技術の将来性は。

堀氏:産業や医療への展開を牽引する科学技術は、その優位的な革新現象が見いだされると、瞬く間に研究者人口が激増します。

 プラズマ医療用の低温大気圧分野の発表数や研究者数は、プラズマ研究分野のみならず医科学分野で急激に増加しています。今後ますます注目される分野になることは間違いないでしょう。

 さらに、プラズマの農業応用やIoTを先導する新たなプラズマ材料プロセス科学技術の論文数の増加は目を見張るものがあります。未来を先導する科学技術であり続けることは間違いありません。

プラズマを理解する上でのキーポイントは。

堀氏:プラズマの基礎を習得して、プラズマの多様な応用について多様な事例を体系化して理解することが重要です。そのためには、プラズマ教育研究の現場を見学することも必要です。さらに、基礎知識を習得し、実践を行うことで、知恵の体系化ができれば完璧です。