1. はじめに

 第65回応用物理学会春季学術講演会が早稲田大学西早稲田キャンパスで3月17日~20日に開催された。その中から筆者が興味を持った講演を報告する。第7回は、シンポジウム「日本の半導体産業・研究の明るい未来を描く」から、ローム 先端デバイス開発部の岩本邦彦氏による「社会的課題解決を見据えた高機能及び高信頼Siデバイスの開発」と題した発表について報告する(発表番号:19p-G201-5)。以降では、岩本氏の発表の概要を紹介する。

2. 社会的課題に半導体がどう貢献できるか

 「産業のコメ」と言われた半導体。世界半導体市場統計(WSTS)によると、半導体の市場規模は2017年に初めて4000億米ドルを突破した。半導体部品が数多く組み込まれたスマートフォン、ウエアラブル機器や電気自動車(EV)が登場している。より豊かで安全・安心な社会の実現には、半導体の性能向上が不可欠なことは必然であり、半導体の重要性は増すばかりである。半導体メーカーが今後も成長を維持していくためには、「社会的課題に半導体がどのように貢献できるか」を考えていく必要がある。

 社会的課題は、国際連合総会で2015年9月に採択された持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」に見ることができる。SDGsは17の目標で構成されており、代表的なものに「エネルギー問題」「人口問題」「環境問題」などがある。これらの課題の解決に向け、今後も半導体市場が飛躍的に成長する可能性は高い。

 ロームは、先進の半導体技術を開発し、社会的価値を創造しながら成長戦略を描くために、4つのソリューションに注力している。(1)デジタル技術と融合した「アナログソリューション」、(2)パワーデバイスを中核とした「パワーソリューション」、(3)「センサソリューション」、(4)超小型デバイスを提供する「モバイルソリューション」である。

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