1. はじめに

 第65回応用物理学会春季学術講演会が早稲田大学西早稲田キャンパスで3月17日~20日に開催された。その中から筆者が興味を持った講演を報告する。第4回は、山形大学 有機エレクトロニクス研究センター(ROEL)、DICおよび宇部興産による「凸版反転印刷電極を用いた相補型有機オペアンプと発振器の開発」と題した発表について報告する(発表番号:18p-D102-6)。

2. 研究の背景と目的

 インク化が可能な有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタ(OTFT)は、大面積、低コスト化が容易である。しかし、全印刷法による相補型集積回路(CMOS集積回路)の実現に向けて様々な課題を解決する必要がある(図1)。

図1 研究背景
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 オフセット印刷の一種である凸版反転印刷法は、平坦でフォトリソグラフィー法に近い微細なパターンが形成可能な印刷法として、プリンテッドエレクトロニクスへの応用が期待されている。山形大学らは、その高精細な印刷性能に着目し、高集積化が求められる電子回路への応用に焦点を合わせて、凸版反転印刷電極と塗布型有機半導体を用いた印刷型OTFTの作製と集積回路応用に関する研究を進めてきた。既に、OTFTの作製と相補型インバーター回路の作製に成功している。本研究では、リングオシレーターとオペアンプの作製と評価、およびインクジェット印刷の場合との動特性比較について報告した(図2)。

図2 目的
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