第一精工は、MEMSを使った匂いセンサーと超音波センサーを「Smart Sensing 2018」(2018年6月6~8日、東京ビッグサイト、電子機器トータルソリューション展 2018)で展示した。匂いセンサーの主な特徴は、匂い分子を吸着する感応膜を30種類以上用意すること。同社では、多様な匂いに対応できるとする。また、超音波センサーはスキャンできるよう2次元または3次元にセンサー素子を動かす駆動部までMEMSで実現しており、モーターなどを使ってセンサーを駆動する場合に比べて低コストでシステムを実現できるとする。

匂いセンサーのセンサーチップ。穴のように見えるのが素子部分で、1チップに10素子搭載されている
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 匂いセンサーは、一般に水晶振動子(Quartz Crystal Modulator、QCM)タイプのものが多いとするが、今回の製品はMEMSで実現した。より大量生産に向くとする。十字状のセセンサー部分に匂い分子を吸着する感応膜があり、匂い分子を吸着する際のナノグラム(ng)オーダーの変化を検出することで、匂いを検出する。検出精度を高めるため、形状設計に工夫を施したという。

 センサーチップ1個に素子が10個(10チャネル)が搭載されており、それぞれに異なる感応膜を用いることで、複数の匂い分子を検出する。会場には開発品として、センサーチップを2個実装する「20素子タイプ」(20チャネル品)と4個実装する「40素子タイプ」(40チャネル品)を展示していた。開発品は企業との共同開発に向けたもので、貸与するなどして共同で各種匂いのデータを集めているという。特定の業界や用途に向け、素子数や感応膜を最適化して装置を簡略にし、2019年に実用化することを目指しているとする。

匂いセンサーを搭載した装置。チップを4個実装する「40素子タイプ」
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 第一精工は、おむつを使う介護分野や農業分野などに需要があると見て、2年ほど前から匂いセンサーを開発していたという。ところが「想定していなかった“見える化”用途による需要が多く、実用化をせっつかれている」(第一精工 常務取締役 技術開発本部長 緒方健治氏)。例えば、牛乳の匂いから鮮度を識別する方法などについて、共同開発を進めているという。こうした食品製造のほか、油の匂いによる機器の管理やトレーラーの消臭状況確認など、様々な現場で匂いによる官能評価が行われており、人間による属人性の高い手法からセンサーによる客観的な手法に変えたい、見える化したいという要望が強いという。

「鼻の穴から、未来が見える。」というキャッチコピーが印象的な第一精工の展示ブース
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