製品開発や製造の業務と比べて、品質保証の業務が低く位置付けられていた──。宇部興産グループの品質データ偽装問題について、その原因を調査報告書(以下、報告書)がこう指摘した(同報告書)。宇部興産の千葉石油化学工場(千葉県市原市)が低密度ポリエチレン(PE)の品質データを捏造した事実が発覚したことをきっかけに、同年2月に設置された、同社とは利害関係のない調査委員会が作成したもの。この調査により、宇部興産を含むグループ6社において24製品に関して品質データ偽装が行われていたことが発覚した。出荷先は113社に上る。同社のホームページには現在、「お詫び」の文字が躍っている(図1)。

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図1●宇部興産のホームページ
品質データ偽装問題を起こしたことに関する謝罪の文字が躍る

 品質データ偽装が行われていた製品は、低密度ポリエチレン製品や石灰石骨材、ポリアミド(PA)6、ポリイミド(PI)フィルム、生石灰、消石灰、光ファイバーの被服樹脂である「ラセンコンポーズ」、紙の漂白に使う過酸化水素など。

 調査では、宇部興産および製造を担う子会社(国内に所在する企業)で品質保証業務を担当する部署に在籍する763人の役職員に品質データ偽装に関するアンケートを実施。このうち、「顧客との契約に基づく製品検査項目の一部を行っていないにもかかわらず、試験成績表に記載したり、測定値と異なる数値を記載・入力したり、試験結果を改ざんしたことがある、役職員がそのような行為をしているのを見たこと・聞いたことがある、または、役職員にそのような行為を命じられたことがある」という質問に、「いずれかの経験がある」と回答したのは、53人と6.95%もいた(図2)。

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図2●品質データ偽装の経験を聞いたアンケート結果
約7%が品質データ偽装(捏造、改ざん、不正行為を見た・聞いた、不正行為を命じられた)に関わった経験が「ある」と回答した。宇部興産および国内製造子会社で品質保証業務を担当する763人の役職員にアンケートした結果。

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