勘定系システムの統合に向けた初回の移行作業を、2018年6月11日に終えたみずほフィナンシャルグループ(FG)。同社はこれとは別に、社内業務を合理化するため、手書き帳票の読み取りと入力を自動化するシステムを開発。みずほ銀行が2019年春にも導入する。AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメ―ション)、OCR(光学的文字認識)を活用し、口座振替依頼書に関する処理の約8割を自動処理できる見通しをつけたという。

 みずほ銀行が出資するBlue Lab(東京・港)、ITコンサルティングのシグマクシスと共同で開発した。AIベンチャーのギリア(東京・台東)が提供する深層学習(ディープラーニング)用開発ツールを利用する。

一部文字の誤りをRPAで自動修正

 口座振替依頼書は電力やガス、インターネット接続サービスなどの事業者との契約時に、金融機関の支店番号や口座番号、氏名を記入して銀行口座からの振り替えを依頼する帳票だ。みずほ銀行が1年間に扱う依頼書は500万枚に上る。現在は事務センターのスタッフが帳票から必要な情報を読み取ってキーボードで入力する作業を繰り返している。

サービス事業者や自治体がつくる口座振替依頼書の形式は多様
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 口座振替依頼書は非定型で手書きの代表的な帳票であり、読み取りや入力を自動化するのが難しい。サービス事業者や自治体などによって形式がバラバラであるためだ。みずほ銀行が扱う依頼書形式は数十万種類あるという。必要な情報がどこに書かれているかを判断するのが難しいうえ、個人が手書きで記入するため表記の揺れが大きいことが自動化の壁になっていた。

 開発したシステムでは、まず帳票をスキャンしたデータをAIに読み込ませる。AIは必要な情報がどの領域に書かれているかを判断する。続いて、指定した領域を対象にOCRを実行して文字を読み取る。最後にRPAを使って、読み取った支店番号と口座番号、氏名のデータを顧客マスターと照合する。支店番号と口座番号から顧客を特定し、読み取った氏名と一致するかを確認。一部の文字を誤っていた場合は読み取りデータを自動で修正する。支店番号や口座番号を特定できなかったり、顧客マスターと照合できなかったりした場合は自動読み取り不能として人間に入力を任せる。

みずほ銀行の現状の口座振替依頼書の処理の流れと、新システム導入後に想定する処理の流れ
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 みずほFGが口座振替依頼書を対象にシステムの実用性を検証したところ、「約8割を人手をかけずに処理できた」と、みずほFGデジタルイノベーション部の白河龍弥シニアデジタルストラテジストは話す。55%はAIとOCRで誤りなく読み取れた。残る45%のうち25%はRPAによる照合で誤りを自動で修正できた。

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