「自動運転に関する考え方が大きく変わったのは、あるパラリンピック選手との出会いだった」。日本自動車工業会(JAMA)会長の豊田章男氏は、2018年5月18日に都内で開いた報道各社とのインタビューでこのように述べた。

 自動運転という言葉が出始めたころ豊田氏は、トヨタ自動車の社内で最大の”抵抗勢力”だったという。何も走っていない道路を自動運転で安全に走行するのは技術的には可能だが、実際には多くの道路に分岐や合流があり、同じ道路に自動車や歩行者、二輪車、自転車などが混在する。こうした状況で自動運転車を走らせるのは難しいと考えていたからだ。

 豊田氏の考えが変わったのは、あるパラリンピック選手の言葉だった。「私の未来を奪ったのは交通事故だが、未来を一緒に作ってくれたのは自動車だった」というその選手の言葉を聞いて、「自動運転への考え方が大きく変わった。自動運転によって安全運転、交通死亡事故ゼロを実現したいと考えるようになった」(豊田氏)と話す(図1)

図1 日本自動車工業会会長の豊田章男氏(右)
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 さらに豊田氏は、「クルマと運転者、道路などインフラの三つが一体にならないと安全なモビリティー社会は造れない。当事者の一人として、それを推進していきたい」と強調した。

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