藤倉ゴム工業と玉川大学はマグネシウム(Mg)空気電池を搭載した超小型電気自動車(EV)を開発し「国際二次電池展」(2018年2月28日〜3月2日、東京ビッグサイト)で公開した(図1、2)。同電池の発電だけで走行するEVは「世界初」(玉川大)とする。日本自動車研究所(JARI)のテストコースを使った走行試験では、1時間29分で24.3kmを走行した。走行性能を高められれば、災害など非常時の移動手段としての実用化が見えてくる。

図1 玉川大学の超小型EVは藤倉ゴム工業のマグネシウム(Mg)空気電池を搭載、斜め後ろから
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図2 車両、斜め前から
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 同車両が搭載するのは、2016年9月に藤倉ゴム工業が発売した非常用のMg空気電池パック「Watt Satt(ワットサット)」である(関連記事:携帯電話充電用のマグネシウム空気電池、東京建物が非常備品に)。電池パック1個あたりの容量は0.28kWhで、開発車両では荷室部分に10個を直列でつないで搭載した(図3)。

図3 藤倉ゴム工業のMg空気電池パック「Watt Satt(ワットサット)」、スマートフォンを最大5個同時に充電可能
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 Mg空気電池は金属空気電池の一種。Mgを負極に、空気中の酸素を正極物質とする。Mgが水酸化物イオンと結合し電子を放出する現象を利用しており、使い終わると負極のMgは水酸化Mgとなる。電解液として食塩水を用いる。発電時に騒音や二酸化炭素(CO2)が発生しない。

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