20年から日米全車に通信機能

 トヨタは、2020年に車載通信機(DCM:Data Communication Module)を、日本と米国で販売するほぼ全ての乗用車に標準搭載する計画を掲げていた(関連記事)。2019年の電子基盤の刷新に合わせて、DCMの新世代品を投入する。

 かねて、自動車のセキュリティーは低かった。現状の電子基盤のままでDCMを大量に導入していくと、ハッカーにとって格好の標的になりかねない。“つながる自動運転車”が狙われると、重大事件につながり得る。新しい電子基盤に暗号技術を採用することは、自動運転車の本格投入に欠かせなかった。

 今や自動車の新機能の大半は、電子やソフトの技術が基になる。車両の部品コストのうち、半分近くが電子部品関連で占めるとされる。自動運転技術が進むと、さらに増える可能性が高い。電子基盤の刷新は、トヨタが今後投入する全車両の競争力を左右する。

テスラ「モデルS」をハッキングする様子(出所:Cloudflare)

 自動車にハッカー対策が求められる端緒になったのが、トヨタだった。2013年、米国のセキュリティー技術者が「プリウス」をハッキングしたことは世界に衝撃を与えた。その後も、多くの車両で脆弱性が発覚(関連記事12)。2015年には、欧米フィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)が巨額のリコールに追い込まれた(関連記事)。

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