独ダイムラー(Daimler)は、新型直列6気筒ガソリンエンジンの搭載車を日本に投入する。Daimlerにとって、約20年振りの直6エンジンだ。一方で従来のV型6気筒ガソリンエンジンの開発をやめる。背景に、ディーゼルエンジンに厳しくなる環境規制がありそうだ。

左が新型の直列6気筒ガソリンエンジン「M256」。6気筒が1列に並ぶ。右が従来のV型6気筒ガソリンエンジン「M276」。バンク角は60度で、3気筒ずつ2列並ぶ(出所:Daimler)

 メルセデス・ベンツ日本は、最高級車「Sクラス」に、新型直6の搭載車を追加すると発表した。前部エンジン・後輪駆動(FR)車に縦置きする新型直6「M256」は、排気量3.0Lの直噴ターボガソリンエンジン。日本仕様の最高出力は270kW、最大トルクは500N・mに達する。48V電源対応のISG(発電機兼モーター)を搭載。簡易ハイブリッドと呼べる構成にした。

直6ガソリンエンジン開発責任者のラルフ・ヴェラー氏

 新型エンジンの開発責任者であるラルフ・ヴェラー(Ralph Weller)氏は日経Automotiveらに対して、「(V6ガソリンの)M276を置き換えるもの」に位置付けたと明かす。今後、Daimlerの6気筒エンジンは、ガソリンとディーゼルでともに直列配置になる。

 かつて世界で多かった直6だが、大半がV6に置き換わった。直列配置は縦に長くなる。車内空間と衝突安全性の制約で、車両に搭載しにくいからだ。直6に熱心なのは、独BMWくらいだった。Daimlerは直6の開発で「全長を短くするのに工夫した」(開発責任者のWeller氏)ことで、量産にこぎ着けた。

 直6投入は、商品力向上につながる側面もある。BMWの直6は代表例で、「シルキーシックス」と呼ばれる同社の象徴だ。カウンターウエイトなどを使わずに振動を抑えられて、軽く高出力なエンジンにしやすい。BMWに限らず、過去の高性能車は直6搭載車が多かった。“クルマ好き”は、直6に好印象を抱きがちだ。

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